サブロウ丸

Sabrou-mal サブロウ丸

主にプログラミングと数学

サーベイ; The quantum or not to quantum: towards algorithm selection in near-term quantum optimization

2020年の論文, "MaxCut algorithm selection"の検索でヒット;

  • Moussa, Charles, Henri Calandra, and Vedran Dunjko. "To quantum or not to quantum: towards algorithm selection in near-term quantum optimization." Quantum Science and Technology 5.4 (2020): 044009.

要旨

MaxCut求解において, QAOA(The Quantum Approximate Optimization)が どのような問題に有効かをGW(Goemans and Williamson)の比較により検証する

QAOA / GWとは

  • どちらも近似アルゴリズムである.
  • QAOAはゲート方式量子アルゴリズムで, circuitの深さpに応じて2p個のパラメタ.
  • GWは有名な近似アルゴリズムでSDP緩和を用いる. 近似率は約0.878だが, グラフの性質によってはより良い近似率を出す. (e.g. 3-正則グラフであれば近似率0.932)

ちなみに, 近似アルゴリズム(approximation algorithm)は, 解の精度(近似率)保証が可能なもので, そうでないものは単に heuristic algorithmと区別されているみたい.

評価方法

  • インスタンス; 4-正則グラフ(ランダム生成)を用いる(生成が容易で, まだ先行研究で調査されていないためと述べられている) ノード数は 11 から 24 の間で, それぞれ20個のインスタンス, 合計280個の問題を用意
  • 評価基準
    • それぞれの問題に対して最適解は総当たりにより取得. それをもとに下記の2つの評価基準を使用
      • (基準 1); QAOA vs. GW; QAOAがGWよりも良い近似率であるか
      • (基準 2); the good heuristic criterion; QAOAが良い近似率を出すか, 具体的には近似率0.98以上で, GWに0.02の差をつけているか

性能調査手法

  • (1) 与えられたグラフから特徴量を抽出する
    • (B1) グラフ構造に付属する特徴量(枝密度, ラプラシアングラフのスペクトラムなど)
    • (B2) ノード数など
    • (B3) GWから得られる推定目的値などの情報
  • (2) 学習
    • (1)を説明変数, 基準ごとのYES/NOをラベルとする訓練データを生成し, LightGBM, XGBoostにより学習を行う.
    • 学習結果から, QAOAが有効な問題の性質が何かを逆説的に調べる

実験結果

  • QAOAが有効な問題が存在
  • LightGBM, XGBoostによる学習がうまくいっていることを示し, (予測精度96%)
  • その上で予測により効いている項目2つを抽出.
    • expected_costGW_over_sdp_cost: the expected cost over the 1000 random projections per instance divided by the cost of the relaxation C_{rlx}.
    • std_costGW_over_sdp_cost: the standard deviation of the cost approximated using 1000 random projections divided by C_{rlx}.