サブロウ丸

主にプログラミングと数学

双対ノルム

「劣モジュラ最適化と機械学習」(講談社) 5.1.2節 双対ノルムとフェンシエル共役 の中に以下のような記述があります。

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さらっと書いてありますが, 本当に双対ノルムの双対ノルムがもとのノルムになるかどうかを調べました。一部, Hahn-Banach定理という解析学の知識を用いる必要があったので, 勉強がてらメモします。


まずは,
1. 上式で定義された双対ノルムがノルムの公理を満たしているか
2. 双対ノルムの双対ノルムがノルムの公理を満たしているか
を調べましょう。
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次に,
3. 双対ノルムの双対ノルムが元のノルムと等しいことを示します。
定石どおり, 両側の不等式をそれぞれ調べます。
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この通り, 片側の不等式は簡単に証明できるのですが, もう片側が難しい。。
同様の問題の質問とその回答が載っているページを見つけましたが, どうやらHahn-Banach定理というのを使うらしい。
math.stackexchange.com

恥ずかしながら, Hahn-Banach定理は知らなかったので, 黒田先生の「関数解析」(共立数学講座)より, 本証明に必要な部分のみピックアップして, 一部省略されている証明も加えてみました。

まずはいくつかの定義と, 定理を載せます。
線型空間, 内積, 完備, 線型汎函数,...などのワードが出てきます。
解析学は久しぶりで細かい定義が抜けてたりしてたので, いい勉強になりました。
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Hahn-Banach定理のありがたみがパッと見ではよく分かりません。(今でもそうですが)。
ですが, wikiによると, 解析学の中で重要な定理(道具)とのこと。デキル人なら, 初見で重要性がわかるのだろうか..?
まぁとりあえず, 今回の証明に役立つことは確か。

本証明に必要な, Hahn-Banach定理の応用命題と証明を一つ。
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さて, 準備は整ったので, 本証明に入りましょう。
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長い道のりでしたね...!!
本文中でさらっと書いてごまかしていたのも頷けます。
この双対ノルムはこの後, 本の中で疎性モデルの推定に応用されています。

参考:
https://www.amazon.co.jp/関数解析-共立数学講座-15-黒田-成俊/dp/4320011066
convex analysis - Dual to the dual norm is the original norm (?) - Mathematics Stack Exchange